衛宮切嗣妄想録

周囲には、常に悲劇と惨劇が広がっていた。

彼は望まれるがままに救いの手を伸ばし続け、その在り方は彼を歪め、蝕んでいく。

彼が差し出した救済は、いつも届かず、多くの命がその手から溢れていった。

しかし、彼は諦めなかった。次こそはと、必ず救い、守り、そして己の使命を全うしてみせると誓った。

何度でも何度でも、例えそれが無意味な繰り返しだとしても。

 

それでも彼は立ち止まらない。もう、立ち止まれない。

だってまだ、終われないから。だってまだ、終わっていないから。

そしていつか、約束を果たす為に。