私は異端であるが故に今日もこんな所で闇取引を見ているのだ。
いや、私の「家族」がか。
「お前、毒入りのビール上手く飲むの慣れてるだろ?どれだけやれるかやってみろって」
「別に好きでやってる訳じゃねぇって。命を賭けても一銭にもならん」
ん?金と黒の歪な目を持った男がカメラで周囲を撮影している。念の為、まぁ証拠というやつか。下働きとは可哀想に。あ、こっちに来た。仕方が無いが、子供らしく笑顔で対応するとしよう。
「……♪」
「………!」
写真と「何か」を手渡された。なんだ?この厚みは…切符か?
どうせこいつも後数日の人生なのだろう。分かったよ。その気持ちを汲み取ってやろう。
私は圧縮された車を手に取り、一目のつきにくい場所に放り投げた。みるみる車は元の大きさに戻っていく。小型車だが。利用しやすそうな祖父を誘惑し、高速道路へと向かおうではないか。