ラノベ導入案

「女子になりたい」

世の男性陣が一度は心に抱く願望だ。

面倒なのは十分理解しているが、1日くらいは体験してみたいと。

 

目の前にいつもと違う景色が浮かぶ。さて、ここは夢の中かどうか。

夢であれば何をやっても罪に問われないのだが、日々真人間として生きていると夢の中ですら自らの行いを躊躇する。しかし、夢かどうかを確かめる術は往々にして存在しない。自分が眠った記憶が思い出せない。

…にしても、妙に世界が現実的である。ここまで詳細に描き込まれた夢もそうそう無いだろう。色をはっきりと識別出来る。体も少し重い。現代科学ではあり得ないのだが、誰かの体に乗り移ったのだろうか?

まずはスマホを探す。日時は当然ながら把握しなけばならない。