駄作

気配がした。

寝静まった薄暗い住宅街。

街灯からは電子音が絶え間なく聞こえ、その不規則な点滅は不気味さをより一層演出していた。

 

歩き始めて、どれくらい経っていたのだろうか。

とっくに住居に着いているはずだったのに、広がっていたのは同じ景色、同じ色、同じ匂い、同じ時間。

振り返ると、それらは其処に居た。

その瞬間、突如として、激しい動悸が襲った。

死地を想起させるその痛みを抱えたまま、それらはお互いを凝視していた。

 

「バイバイ」

 

意識は遠のき、それらは___から姿を消した。