吐息が荒くなり、心臓の鼓動が高まる
そう、口付けが間近に迫ったその瞬間ーー
「緊急地震速報です」
A「何!?地震!?こうしちゃいられない!!」
(Bを弾き飛ばす)
B「えっちょっ」
A「何をぼさっとしてるんだ!!物や棚の倒壊に配慮しながらまずは隠れろ!!次に重視するのは靴だ!!ここは海岸沿いだから津波も早い、名残惜しいがスマホだけ持って厚着して逃げるぞ!!」
B「あ、はい」
A「くそっ!やはり、大陸プレートの事故現場のような場所を選んだのが間違いだったのか…!」
B「(じゃあ海外いけよ)」
A「これまでの歴史で火災や家の倒壊、津波など様々な二次災害が起こってきているが、今回も何が起こるか分からない。余裕を持って逃げるぞ」
B「うん (こいつやけに詳しいな)」
A「だがこの揺れてる時間ももったいないな… ソシャゲのチェックインとクエストをクリアしつつ、SNSで呟くか…」
B「いや自分の身、守れよ」
俺は今日、とある女子から体育館に呼び出された。
これはやはり、あれなのか…!?あれなのか…!?
A「Bくん、来てくれてありがとう」
B「うん」
A「実は言っておきたいことがあって… でも人前では言いにくくて…」
B「(これは確定かな)」
A「実は私… Super-spreadersなの…」
B「えっ」
A「あ、単数だからSuper-spreader…かな」
B「そこじゃねぇよ」
A「ここ1週間、致死率9割弱の病気を学校にばら撒いてきたんだけど… これって大丈夫かな…?」
B「大丈夫な訳ねぇだろ」
A「私は耐性があるから平気なんだけど… 皆はどうかな?」
B「えぇ…」
緩急で笑いを生むやつ